

はじめに
Audibleで聴きました。
ユヴァル・ノア・ハラリ氏による世界的ベストセラー『ホモ・デウス』は、
我々人類が「神のような存在(ホモ・デウス)」に進化しようとしている未来像を描いた、
知的好奇心を刺激する一冊です。
著者は前作『サピエンス全史』で人類の過去を描き、本書ではその続編として、
文明の行き着く先にある「次なる挑戦」を鋭く問いかけています。
私は『サピエンス全史』も聴いており、とても面白かったので、
『ホモ・デウス』が刊行された時はオーディオブック化したら絶対聴こうと思っていたのですが、
今の今まで忘れておりました。
本の刊行は2018年と少々古くなってしまったのですが、
それでも尚、現在でも通用する示唆に満ちあふれた内容となっており、
改めて著者の未来を見通す力に驚かされました。
飢餓・伝染病・戦争 ― 人類が克服した三大災厄
著者はまず、人類が長らく苦しめられてきた三つの災厄──飢餓・伝染病・戦争──が、
21世紀の現代では“管理可能な問題”に変わったことを強調します。
- 飢餓は過去のものとなり、現代の貧困層の多くは「太りすぎ」に苦しむ。
- 感染症の猛威も、ワクチンや抗生物質の進化により制御下にある。
- 戦争の犠牲者は20世紀以降激減し、現代の死因はがんや心疾患が主流。
「死を遠ざけ、幸福を追求し、身体をアップグレードする」ことこそが、
ホモ・サピエンスが“ホモ・デウス(神なる存在)”へと変容するための
新たな三大目標であると著者は主張します。
AI・遺伝子工学・サイボーグ化 ― 神への進化は可能か?
未来に向けて、人類は生命工学や人工知能、サイボーグ技術によって、
自らを物理的・精神的に改造しようとしています。たとえば、
- 死を克服する研究
- 幸福を科学的に操作する刺激装置
- 脳をクラウドにアップロードする構想
など、かつて神話やSFで語られていた話が、いま現実の研究開発として進められています。
「無用者階級」の誕生と倫理的課題
『ホモ・デウス』が読者に突きつける最大の問いは、
「技術の進化が全人類に平等な恩恵をもたらすとは限らない」という事実です。
一部のエリート層が知能や寿命、幸福さえもテクノロジーで強化する一方で、
多くの人々が“無用者階級”として切り捨てられる未来があるかもしれない。
その構図は、データや知識を独占するシリコンバレーと、戦争や飢餓に苦しむ発展途上国との格差にも重なります。
また、AIの進化が目覚ましい昨今ですが、それを利用するにはそれなりの費用がかかります。
それを負担することができる人と出来ない人の人生には、大きな格差が生じると思います。
貧困の遺伝などという言葉もありますが、ますますその言葉の持つ意味も重くなって行く事でしょう。
実際に私も複数のAIサービスに課金していますが、
すでにこれらが無い生活には戻れないほどに必需品となりつつあります。
この、データ至上主義の波に乗るか飲み込まれるかの二極化が人類の未来を描くカギとなりそうです。
まとめ:“神になったサル”に未来は託せるのか?
『ホモ・デウス』は、単なる未来予測本ではなく、
「人間とは何か」「進化とは何を意味するのか」という根源的な問いを我々に投げかけてきます。
『ホモ・デウス』は、単なる未来予測ではなく、
「我々はこれから何者になるのか?」という根源的な問いを投げかけてきます。
あなたは、自分の人生を自分で決める“人間”でいられるのか?
それとも、データに使われるだけの“家畜”になってしまうのか?
この本は、AI・ビッグデータ時代を生き抜く私たちに、強烈な警鐘を鳴らしています。
読後には、検索やおすすめに頼る日常の中に潜む“支配”の影をきっと感じるはずです。
- 歴史・未来・哲学を包括しする視点が得られる
- 現代社会の矛盾や課題を整理できる
- 書かれてから数年経過した今読んでも納得できる
- 必要な過程ではあるが、哲学や技術、倫理の検証パートが長い
- いつもの終末論的な、身も蓋もない結末
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