
はじめに:「普通」を拒んできた人が、「普通」に向かうとき
pha(ファ)さんのエッセイ『パーティーが終わって、中年が始まる』は、
かつて「カリスマニート」として注目を集めた著者が、
40代を迎えてからの心境の変化を綴った1冊。
若い頃のアイデンティティに少しずつ距離を置きながら、
「中年」という新たなフェーズにどう向き合っていくか――その等身大の模索が、多くの共感を呼んでいます。
実際、本書は1万5千部を超えるヒットとなっているそうです。
phaさんのご活躍はネットのみならず、数々の本を出版され、
運営していたシェアハウスがフジテレビの「ザ・ノンフィクション」で紹介されるなど多岐にわたるので、
お名前をご存じ方も多いのではないでしょうか。
こんな人におすすめします!
・40代になって疲れやすくなった
・若い頃と同じことが楽しめなくなってきた
・「普通」や「老い」とどう向き合えばいいのか悩んでいる
そんな人にこそ読んでほしいのが、phaさんの『パーティーが終わって、中年が始まる』です。
かつての自由は、今の「しんどさ」に?
phaさんといえば、シェアハウスでの共同生活や、「働かない」ライフスタイルを実践し発信してきた存在。
ですが40代に入り、かつて心躍ったはずの出来事、
たとえば長距離バスでの移動や見知らぬ人との共同生活が、
いつしか「うるさい」「疲れる」と感じるようになっていきます。
静かな空間を求めたり、無理をしない暮らしを望むようになったりと、
体と心が少しずつ変化していく様子が率直に描かれています。
「普通」に惹かれはじめた理由
本書の魅力は、ずっと「普通」を避けてきた著者が、どこかで「普通も悪くないかも」と思いはじめる、
その心の揺らぎにあります。
たとえば、新幹線よりも長距離バスを選ぶ、外食よりも自炊を選ぶ、
1人暮らしよりも共同生活を続ける――かつての選択は、「反・日常」や「反・体制」の姿勢からくるものでした。
でも今は、無理をしない「快適さ」や「穏やかさ」への気持ちが芽生え、
価値観が変わってきたことを自覚しているのです。
サブカルを超えて届く「中年」のリアリティ
興味深いのは、このエッセイがサブカルチャーを背景に持ちながらも、
まったく異なる生き方をしてきた人たちにも刺さっている点。
「違う世界にいたはずなのに、なぜか今ここで交わっている」といった声が、
読者や対談者から多く寄せられているのも納得です。
加齢、体力の衰え、親の老い、自分の社会的ポジションの変化――それらは誰もが避けられないテーマ。
そうした中年の普遍的な葛藤が、本書には淡々と、でも丁寧に綴られています。
中年になって見えてきた「新しい楽しみ」
「いいおじさんになろうと思った」
「若い人の邪魔をしないようにしたい」
――そんな言葉からも、phaさんが中年という時期を前向きにとらえているのが伝わります。
年齢を重ねてはじめて挑戦したこともたくさん。
たとえばバンド活動を始めたり、これまで敬遠していた仕事を楽しむようになったりと、
新しい発見に素直に喜ぶ姿が印象的です。
時代とともに、自分も変わる
本書の背景には、Twitter(現:X)を中心とするインターネット文化の変遷も描かれています。
「Twitterで世界が変わる」と信じていた時代から、「攻撃や憎しみが渦巻く場所」へと変わってしまった現在、
その流れに対する違和感や喪失感も、著者の内面とリンクしています。
それでも、紙の「本」という形にこだわるphaさんの姿勢からは、
時代が変わっても大切にしたいものがある、というメッセージも感じられます。
おわりに:中年は「第二の青春」かもしれない
『パーティーが終わって、中年が始まる』は、単なる回顧録ではありません。
むしろ、「若さ」に固執するのをやめて、変化を受け入れる勇気、
そして年齢に応じた自分らしさを再発見していく物語です。
そして皮肉なことに、「普通」を避けてきた著者の「普通への旅」が、
多くの「普通の人々」の共感を得ている――それこそが、この本の最大の魅力かもしれません。
中年とは、もしかすると「第二の青春」。
違和感や迷いを抱えるすべての人に、静かに寄り添ってくれる一冊です。

私もphaさんと同年代なので、共感する点がとても多かったです!
- 中年期の不安に共感できる
- 価値観の変化を肯定できるようになる
- “普通”との向き合い方を考えるきっかけになる
- はっきりした結論や処方箋がない
- 京大卒の頭脳を持つphaさんのマネは誰にでもできる事ではないような…

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