「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」 〜現代人の読書習慣と働き方の関係性〜

「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」三宅香帆著
目次

はじめに

Audibleで「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」を聴きました。

現代社会において、「読書時間の確保」は多くのビジネスパーソンが抱える課題です。
本書は、この普遍的な問いに一つの視点を提供してくれます。

タイトルから想起される内容と実際

本書のタイトルから、デジタルメディアの台頭による読書時間の減少や、
現代のビジネスパーソンのメディア消費傾向の分析が連想されます。

しかし、実際の内容は、むしろ「働き方」そのものに焦点を当てた仕事論が中心となっていました。

核心となるメッセージ

著者が伝える本書の核心は、「全身全霊」で仕事に打ち込むのではなく、「半身」で仕事と向き合い、
読書を含む趣味や私生活のための時間と精神的余裕を確保することの重要性です。

仕事の効率性や情報処理の観点から、忙しい現代人が「ノイズ」の混在する書籍よりも
インターネットの情報を重用する傾向についても触れられています。

「読書ができないのは、働きすぎで余白を失っているからだ」
というのが、著者の主張です。

仕事以外の要因:デジタル時代の誘惑

読書時間の減少は必ずしも仕事の忙しさだけが原因ではありません。
現代社会では、スマートフォンのアプリ、ショート動画、SNS、ゲームなど、
即時的な満足を提供する娯楽が溢れています。

これらのメディアは、読書と比較して

  • 開始までの心理的ハードルが低い
  • 報酬(満足感)が得られるまでの時間が短い
  • 継続的な注意力や集中力をあまり必要としない

という特徴があり、限られた自由時間の中で読書と競合しています。

環境変化の影響:通勤時間と読書の関係

私自身はすでにFIRE(早期退職)しており、時間には余裕があります。
それでも、活字による読書量は激減しました。
理由は明白で、通勤時間が消滅したからです。

働いていた頃は、通勤電車の中では活字による読書タイム、
徒歩移動中はAudibleで読書を楽しんでいました。

ところが、現在はそのルーティンがなくなり、
代わりに家での時間がネット・ゲーム・SNSに時間を奪われるように…。
つまり、読書を阻むのは「仕事の多忙」だけじゃないんですよね。

新しい読書時間の確保

通勤時間がなくなった場合、意識的に読書のための時間と場所を確保することが重要です。

例えば、

  • 朝の30分を読書タイムとして確保する
  • 「読書専用スペース」を自宅に設ける
  • デジタルデトックスの時間を設定する
  • オーディオブックを活用して家事や運動中に「聴く読書」を実践する

読書は単なる情報収集ではなく、深い思考や想像力を育む貴重な活動です。
即時的な満足感は少ないかもしれませんが、
長期的な視点で見ると、読書から得られる知識や洞察は人生を豊かにします

まとめ

本書は「読書ができなくなった原因と対策」を直接的に提供するものではありませんが、
より本質的な「仕事と私生活のバランス」について考えるきっかけを与えてくれます

著者の提唱する「半身」の働き方は、読書時間の確保だけでなく、
より充実した人生全体につながる視点です。

読書ができない理由を「怠惰」ではなく「働きすぎ」に見出してくれることで、
少し気が楽になる人もいるかもしれません。

仕事に追われる日々の中で、読書を含めた自分自身のための時間を大切にすることの重要性
再認識させてくれる一冊と言えるでしょう。

なぜ働いていると本が読めなくなるのか
総合評価
( 3.5 )
メリット
  • 働きすぎて趣味を見失いがちな人に寄り添う内容
  • 「半身で働く」というバランス感覚に共感
  • 読書を“ノイズのある贅沢”として再定義してくれる
デメリット
  • 読書習慣の具体的改善策は少なめ
  • 仕事をしていなくても読書が減った人には当てはまらない

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